香港戦「5-0」になって日本選手の緊張感が緩んでしまった
国際試合を5―0でモノにした。だが、相手との力関係は? 日本の選手は実力を発揮したか? 点差がついて気は緩まなかったか? もっとゴールは奪えなかったのか? など細かい点を考えないといけない。東アジアE―1選手権の2戦目に対戦した香港は、中国や韓国と比べると<およそチームの体をなしている>とは言えなかった。選手個々のポテンシャル、組織力などガクッと落ちるチームと言うしかなかった。
日本代表のスタメンには東京五輪世代(22歳以下)が9人。26歳MF大島と27歳MF仲川が、オーバーエージ枠のような形で入った。若い選手にしてみたら<しっかりと攻撃の形をつくってゴールを量産><東京五輪代表入りのために森保監督に熱烈アピール>の好機到来だったはずだが……。
代表デビューでハットトリックを決めたFW小川は、ゴールを決めるための嗅覚を持っていることを改めて証明した。特に3点目は、しっかりとゴール前にポジションを取り、軌道の変わったボールに冷静に対応して頭で決めた。点取り屋らしいゴールだった。
ただし、この後半13分の小川のゴールが決まった後は、チーム全体の緊張感が弛緩してしまったようにみえた。追加点は入らないかもしれないなぁ……と思っていたら案の定だった。後半のシュート数は、前半よりも1本少ない7本。テレビ桟敷で不完全燃焼の気持ちを抱いたファンの方も少なくなかったのでは。