サヨナラ満塁弾のヤクルト村上 守備不安払拭で他球団脅威
打った瞬間、ベンチが沸いた。
ヤクルトは5―5の同点で迎えた九回裏、無死満塁の好機に、4番村上宗隆(20)が広島5番手スコットの3球目を左翼席上段に運び劇的なサヨナラ勝ちを決めた。
「満塁で回ってきたので、何とか1点取ろうと思って打席に入りました。いい感じでとらえたので(スタンドへ)行ったかなと思いました」
昨季は高卒2年目としてはセ初となるシーズン30本塁打(36本)を記録。96打点は、「怪童」と呼ばれた中西太が持つ高卒2年目以内の年間最多打点(86点)の日本記録も塗り替え、新人王になった。一方、184三振はリーグワースト。「一発か三振か」という打者で、15失策(同2位)も投手泣かせだった。
今季はここまで11試合40打数で8三振。少ないとは言えないが、打率・375、3本塁打と安定感があり、13打点はリーグトップだ。好調な打撃は守備力(2失策)の向上も大きな要因だ。
今季は一、三塁で併用されているが、守っている時の表情が違う。昨季、ファンの失笑を買ったお粗末なプレーは見られず、何度か好守で投手を助けている。守備の不安がなければ打撃に集中できる。マークがきつくなる今季も村上は怖い。