KINGペレ80歳の誕生日に思うこと<下>
ファンやサポーターたちが一番、強烈に覚えている試合の印象はといえば、やはりゴールシーンということになる。それは洋の東西、老若男女を問わないだろう。
ペレは訪れた世界各地で<記憶に残る>ゴールを数多く決めてきた。サントスの一員として1972年に初来日し、日本代表と対戦した時も浮き球で小城、山口のメキシコ五輪銅メダル組を抜き去り、ボレーで決めた見事なシュートは語り草となっている。
一方のジーコはフラメンゴ時代の1981年、第2回トヨタカップで来日してリバプールと対戦した際、DFの背後への絶妙な浮き球、鮮やかなスルーパルでヌネスの1点目と3点目をアシストした(試合は3-0でフラメンゴの勝利)。メキシコW杯でも準々決勝のフランス戦では、交代出場した後のファーストタッチでPKを誘発するスルーパスを出すなど記憶に残るスパープレーも数多いが、「印象に残るゴールは?」と聞かれてもすぐに思い浮かばない。
改めて強調することもないが、ジーコがペレより劣っていると言いたいわけではない。そもそもプレースタイルが違うのだから、比較すること自体が無意味である。
ペレとジーコ。2人に共通しているのは<2度と現れることのない異能の持ち主>と言い切ってもいいだろう。
(この項おわり)