<9>“代表実績ゼロ男”鎌田大地の独1部移籍に驚きの声が上がった
「今年はA代表に上り詰めたい気持ちがすごく強い。そのためには得点ですね。2ケタは絶対に取るつもりです」
16年シーズン開幕前に鎌田は力強く宣言。目の色を変えてサッカーに取り組んだ。残念ながら同年はJ1・7ゴールに終わり、リオ五輪本大会メンバー滑り込みも果たせず、A代表にも呼ばれなかった。が「海外でプレーする」という夢には着々と向かっていた。
そして17年夏、独ブンデスリーガ1部のフランクフルト移籍が決定。Jの地方クラブに在籍する代表実績ゼロの選手が、いきなり欧州5大リーグのクラブと2年半で完全契約を勝ち取ったという事実に多くの日本サッカー関係者から驚きの声が上がった。
「近々、海外移籍するというのは息子から聞いていたので、『いよいよか』という感じでした。最終決定した時には電話があり、『決まったよ』と。こちらも『おめでとう。長谷部(誠)さんがいるクラブで心強いな』と声をかけました。壮行試合だった6月25日の浦和戦に(クラブから)招待していただき、鳥栖まで足を運びましたが、とにかくバタバタ(笑い)。大地は試合後、すぐに渡独したので我々と、入籍したばかりのお嫁さんで部屋の片付けや掃除をしました。海外への引っ越しは本当に手間がかかる。再認識する、いい機会でした」