カブス率いるロス監督の厳格な一面 対話重視も怠慢プレーにはスター選手でも容赦せず
デービッド・ロス監督(45)は現役時代の大半が控え捕手だったが、メジャーの老舗2球団にチャンピオンリングをもたらした優勝請負人だ。
レッドソックス時代の2013年は上原、田沢の日本人リリーバーの女房役を務め、ポストシーズン8試合に出場。カージナルスとのワールドシリーズ(WS)第5戦で決勝二塁打を放つなど、攻守にわたる活躍でチームを8度目の世界一に導いた。現役最終年の16年にはカブスでプレーし、インディアンス(現ガーディアンズ)とのWS第7戦の六回に一発を放ち、108年ぶりの制覇に貢献した。引退後はシカゴの放送局の解説者、カブスの特別顧問を経て20年からチームを率いている。
現役時はベンチ待機が長かったことから、指揮官の采配を観察してきた。19年オフに就任する際、ボビー・コックス監督(元ブレーブス)ら「多くの名将のベンチワークを間近で見て勉強になった」と話している。
中でも影響を受けたのが、現役最後にプレーしたカブス時代のマドン監督だ。ベンチでは常に指揮官の横に座り、投手の代え時、代打を送るタイミングなどを伝授された。エンゼルスでは大谷をリアル二刀流で起用するなど時には奇策も辞さないが、ロス監督は「自分にはオーソドックスな戦略しか立てられない」とセオリー重視の采配に徹している。