エリザベス2世の死去で考える 英国で野球が普及しない理由
英国女王エリザベス2世の訃報は、英国だけでなく世界中の関心を集めた。
1952年の即位以来、70年にわたり王位にあったのは同国史上の最長記録である。さらに、国民の8割以上がエリザベス2世の即位以降に生まれたということを考えれば、文字通り国の象徴、英国そのものであることが分かる。
■ブッシュ大統領夫妻と観戦
一見すると関わりの薄いかのように思われる「女王と野球」について、91年5月に2週間にわたる米国訪問を行った際に大リーグの試合を観戦するなど、両者は無縁ではない。
エリザベス2世が目にしたのはオリオールズ対アスレチックス戦でブッシュ大統領(父)夫妻の先導によりグラウンドを視察したり両チームの選手と握手をしたり、試合会場であるオリオールズの本拠地メモリアルスタジアムの観客の歓声に手を振って応じるなど、野球の試合を堪能した様子がうかがわれたものだった。
ところで、野球の原型とされるラウンダーズが英国発祥の競技ながら、野球そのものの普及度は低い。