意外と知られていない「親方のお仕事」 巡業中の宿の部屋の割り振りもひとりで
私がまだ荒汐部屋の師匠で蒼国来が現役だった時代は、朝稽古の開始は朝6時半でした。蒼国来が「荒汐親方」となった現在、朝稽古は7時半開始になりました。
私が6時半にしていた理由は、稽古時間が早ければ、外出した力士も早く部屋に帰って来ると思ってたからです。そうやって長年やってきましたが、今の師匠は1時間遅くしました。そこには当代なりの考えがあるのでしょう。
このように、相撲部屋は各部屋、親方によって決まりもさまざまです。朝稽古の例で言えば、最初に序ノ口、次に序二段、三段目と地位が低い順から稽古をし、稽古後に風呂に入るのはその逆……というのはどの部屋も同じはず。ただ、稽古の開始時間や何時間やるかなどは、その部屋の師匠次第なんです。
■何もない日は何もないけど…
さて、親方の一日というものは、何もない日はそれほど語ることはありません。朝稽古で指導をし、ちゃんこを食べる。部屋付き親方は相撲協会の業務がなければ、ここで仕事終了です。部屋持ちの親方、つまり師匠も午後は自由時間です。趣味に時間を割いてもいいのです。ただ、師匠は常に弟子の行動が気になるものです。