著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみの稼ぎは女性アスリート最高額 では「年収68億円」の本当の価値は?

公開日: 更新日:

 先駆者のスザンヌ・ランランはコルセットを外し、素足を見せて紳士淑女を驚かせ、喜ばせた。男子もジョン・マッケンローがそうだったように、最近ではニック・キリオスの極め付きの“悪童ぶり”は愛される。シャラポワやセリーナなき今、女子テニスで話題を提供する大坂なおみ……それが68億円の価値である。日本の常識からはこの辺の理解が難しいが、実は日本も同じだった。

 我が国に最初に女子ツアーを持ち込んだのは、日本テニス協会ではなくナット・キング・コールら外タレを招聘した青山音楽事務所(旧)だった。ちなみにペレの引退興行で旧国立競技場の動員記録を作り、マラドーナを連れてきたのも青山で、そこから、いま問題の電通のスポーツ介入が始まっている。

 女子ツアーの東レPPOを30年にわたって運営した野地俊夫は往年の「東芝オーレックスジャズフェスティバル」のディレクターでライオネル・ハンプトンらを連れてきた。

「グンゼワールドテニス」を仕切った進藤重行は映画人で、アンジェイ・ワイダの助監督……。協会はショー的要素を演出できなかったから、テニスに無縁の文化人が紹介したのだ。バブル後、代理店が割り込んで競技より経済が優先され、プロスポーツのショー的側面が欠落した。大坂への不満もそのあたりに根差している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が