侍J王座奪還も栗山監督に退任報道 その裏で浮上する後任候補3人…王貞治氏“推し”は?
侍ジャパンが2度目の世界一を達成した2009年大会以来、3大会ぶりにWBC王座奪還へと導いた栗山英樹監督(61)に、米国との激戦の余韻もまだ残るなか、早くも退任報道だ。
日本時間22日午後、決勝後の会見で「今日で監督、終わるので。明日からは本当にまったく何もない、肩書のない人になっちゃうので」と話したことから、複数のメディアが「退任へ」と報じた。ネット上では「次もやってくれ」などと続投待望論が巻き起こっていただけに、ファンのみならず、球界全体に衝撃が走っている。
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2021年12月、東京五輪で金メダルを獲得した稲葉篤紀監督の後を受け、代表監督に就任。17年WBCを率いた小久保裕紀、稲葉という前2代の監督とは違い、1年半弱という短い期間で、13年大会以降、日本に立ちはだかっていた4強のカベを突破した。試合後の会見では目を潤ませた。
■大谷、ダルも大絶賛
日本を牽引する大谷翔平(エンゼルス)が「初めて高校生の時に会ってから印象は何も変わってない。プロ野球の監督っぽくない雰囲気を持っている方。人間的にも勉強になっている。一緒に優勝目指して頑張りたい」と言えば、チームのまとめ役を担うダルビッシュ有(パドレス)も「出るところと引くところ、選手のことを上げてくれたり。栗山さんは、人を傷つけるとか、恥をさらすことを言わない。そこはすごく難しくて、そういう方は日本の指導者であまりいない。そういうところにすごみを感じます」と称賛している。
「代表はメジャーリーガーや各球団の主力といったプライドが高い選手の集まり。不振に悩む村上には、『最後はおまえで勝つんだ』と言い続けるなど、日本ハム監督時代から選手への気遣いを欠かさず、選手の可能性を最後の最後まで信じる。大谷やダルは栗山監督だから自由にノビノビやれているし、村上も栗山監督でなければ準決勝で1打席目から3打席連続三振に倒れた時点で、代打を送られていたでしょう。選手内でも、栗山監督の続投を望む声が出ている。何よりハッキリしたのは、大谷がいるのといないのとでは戦力として大きな差があること。3年後の26年に予定されている次回大会も大谷の存在は不可欠。大谷との関係性を考えれば、栗山監督が指揮を執るのがベストといえます」(球界OB)
■本人が意欲満々
侍Jを運営するNPBは大会終了後、本格的に後任監督人事に着手するが、栗山監督の続投を支持する声が出ているという。次の監督が初めて指揮を執るのは、今年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップ。栗山監督なら、次回大会に向けてスムーズに始動することができる。
「昨年、サッカーW杯で16強に導いた森保監督の続投が決定した状況とよく似ている。複数の後任候補が挙がる中、ファンや選手の声が続投を後押ししましたから」と、代表関係者がこう続ける。
「ただ、森保監督と違うのは、栗山監督に何が何でもあと3年やる、という意思があるのかどうか。今大会はメジャーリーガーである大谷とダルの起用について、所属球団との調整に大いに苦労した。大会期間中はほぼ外食せず、宿舎にこもって戦略を練り続けたくらい。その労力たるや、想像に難くありませんから」
そんな中、球界では複数の後任候補の名前が浮上している。
「本人が就任に興味を示しているといわれるのが、前ソフトバンク監督の工藤公康氏(59)です。ソフトバンクでは15年から21年までの7年間監督を務め、5度の日本一を達成。その実績は他の追随を許さない。WBC期間中はテレビで解説を務めたり、東京ラウンド中にはスーツ姿で東京ドームの貴賓席を訪れています。代表監督人事に発言力を持つ王貞治ソフトバンク球団会長も、工藤氏の手腕を高く評価しています」(前出の球界OB)