大谷翔平は「日高見の王子」だった? 佐々木朗希に麟太郎…怪物を生む岩手県の謎に迫る
仙台の実家で「支倉六右衛門」という冊子を見つけた。中目覚は、実家近くに屋敷を持っていた明治期の地理学者、言語学者で、旧大阪外大の初代学長だった。パラパラめくると、これが面白い。
太古の昔、本州は西に「大和」、北に「日高見」と2つの国に分かれていた。浅学なスポーツライターは「日高見」と聞けば北上川河口の石巻の銘酒しか知らないが、国名だったか。富士山あたりにあった国境が押し上げられ、「北上」は「日高見」だという。
■自然豊かで多種多様な人種が共生する国
大和国が律令制などで体制を固めたのに対し、自然豊かな日高見国はアイヌや多種多様な人種がおおらかに暮らし、窮屈な階級制を嫌って北上する大和人もいた。その移動は北陸ルートで、新潟から山形の庄内、そこから内陸に大崎(古川)へ抜け、一関、平泉、水沢、盛岡、秋田と、奥の細道の逆ルートである。
「此線には優秀なヤマト族を代表する美人系がある」と先生は書き、「金沢美人」「新潟美人」「秋田美人」「南部美人」を挙げる。大崎の手前の鳴子温泉に鬼首という地があり、地元の人が「鬼首には美人が多い」と話していた。「ウソ!」と驚くと、「お盆にござれ、みな帰省してくる」。そう言えば、かつて仙台は「三大ブ〇」の町といわれた。かつて、である。