クローンとグリチェク早速活躍もフル稼働厳しく…故障持ち2人が逆にエンゼルスの足手まとい?
故障持ちで厳しいフル稼働
「先のブルージェイズ戦でタイムリーが出なかったエンゼルスにとって、クローン、グリチェクの獲得は戦力の上積みにはなる。クローン、グリチェクが大谷の後の3、4番で起用されれば、打線に厚みが出るうえに、過去に実績がある2人が続けば相手バッテリーも脅威でしょう。大谷はブ軍バッテリーに2戦連続で2敬遠と勝負を避けられたが、2人が後を打てば、歩かされるケースが減るかもしれません。大谷が再び、本塁打を量産するようになる可能性はありますが、2人はここ数年、全盛期に比べれば攻守とも揃って精彩を欠いている。2人が本来の実力を発揮できれば、エ軍打線が機能し、大谷も大いにプラスになるはずです」
■実績十分も
グリチェク、クローンとも今季、ロッキーズでは勝負強さを発揮した。特にグリチェクは得点圏打率.305、19打点と好機で結果を残している。確かに額面通りに活躍できれば、2人は十分に戦力になるだろう。
「しかし……」と、言うのはある特派員のひとり。
「実は2人とも故障持ちなのです。グリチェクは昨オフ手術した股関節に依然として不安を抱えており、今季は定期的に休養するなど、ロ軍では起用が制限されていた。かつてはメジャーでトップクラスだった外野の守備力も年々、低下している。エ軍に加入してからもフル稼働は望めないのではないか。クローンにしても、ここ数年は背中から腰にかけての痛みに悩まされており、ここ数年は夏場に離脱を繰り返している。今季終了まで無事にプレーできるのかどうか、不安は尽きません」
メジャーでは毎年、この時期はPS進出を目指すチームが積極的に駆け込みトレードを行っているものの、期待外れに終わるケースは少なくない。
ましてエンゼルスはとにかく補強ベタ。19年に7年総額約330億円で獲得したレンドン(33)が不良債権化しているのがいい例だ。補強した選手でまともに働いたのは17年に獲得し、翌18年に30本塁打をマークしたアップトン(35)くらいのものだ。
日本時間8月1日に行われた敵地ブレーブス戦に早速2人はスタメン出場。グリチェクは4回にソロ本塁打を放ち、クローンも9回にタイムリー安打と放つなど新天地で幸先良いスタートを切ったが、2人が中軸としてコンスタントに機能しなければ、戦力アップは実現しないばかりか、大谷の「四球禍」も収まりそうにない。
珍しく積極的に動いたエ軍のトレードが結果的に、チームのPS進出、大谷のタイトル争いに足手まといになりかねないのだ。