夏の甲子園優勝は…高校野球に精通する3氏が徹底予想! この4校が仙台育英の連覇を阻む
全国各地で行われた高校野球の地方大会。30日は2大会で決勝があり、大阪では履正社が3連覇を狙う大阪桐蔭を3-0で破り、全国制覇した2019年以来、4年ぶり5回目の代表切符を手にした。東東京は共栄学園が九回2死から7得点を奪う大逆転劇で春夏を通じて初の甲子園出場を決め、全49校が出そろった。
今春センバツで優勝した山梨学院(山梨)、同準優勝の報徳学園(兵庫)、同4強の大阪桐蔭が敗退。智弁和歌山が初戦で姿を消すなど、全国的に波乱が目立った一方で、仙台育英(宮城)、専大松戸(千葉)、沖縄尚学(沖縄)など11校が春夏連続出場を決めた。ズバリ、この夏を制するのはどこか。高校野球に詳しい専門家3氏と日刊ゲンダイが徹底予想した。
■大阪桐蔭が消えても強い近畿勢
高校野球雑誌「ホームラン」元編集長の戸田道男氏は「智弁学園(奈良)を推します」とこう続ける。
「奈良大会全5試合51得点で、チーム本塁打数は19年の大会記録の12に並んだ強力打線が武器。打線を引っ張る松本大輝(3年)は打率.625。投手も藤田健人(3年)と中山優月(3年)の二枚看板が安定しています。最近は大事な試合で天理に負けることが多く、今春のセンバツには出られませんでしたが、春の近畿大会では大阪桐蔭を倒して優勝。今年に入ってチーム力が上がってきました」
「補欠のミカタ レギュラーになれなかった甲子園監督の言葉」(徳間書店)など高校野球関連の著書が多数あるスポーツライターの元永知宏氏は「広陵(広島)」を挙げる。
「4強だったセンバツからエースの高尾響(2年)が良くなりました。広島大会は準決勝まで27回を投げて無失点、四死球ゼロ。決勝は2失点完投で10奪三振。球威も安定感も増した。『広陵のボンズ』こと今秋ドラフト1位候補の真鍋慧(3年)は今大会、通算20打数5安打1本塁打5打点といまひとつでしたが、17年大会で中村奨成(現広島)が1大会の個人最多本塁打記録の5本を更新したように、真鍋が甲子園で爆発すれば、悲願の夏初優勝も見えてきます」
アマチュア野球に詳しいスポーツライターの美山和也氏はこう見る。
「イチオシは愛知3連覇を果たした愛工大名電です」とこう続ける。
「中京大中京との強豪対決となった決勝で、エースの笹尾日々喜(3年)が、四回に自ら逆転打を放つと、八回の打席では一塁にヘッドスライディング。九回の投球時は打球が直撃したのに3失点完投。気迫がすごい。決勝で適時打を放った4番の寺田純平(3年)は、初戦でリードを許す展開だった大府戦で、九回2死から起死回生の逆転打を放った。チームとしても準々決勝で享栄の世代屈指左腕・東松快征(3年)を打ち崩すなど底力がある。寺田は『ベスト8だった昨年以上』という目標を掲げていて優勝を狙っています」
本紙が推すのは履正社(大阪)だ。関西の球界関係者がこう言った。
「左腕の福田幸之介(3年)がこの日、大阪桐蔭打線を3安打無失点で完封。大阪大会で背番号1を背負った増田壮(3年)との左腕二枚看板は強力。大本命だった大阪桐蔭を倒して勢いに乗っています」