二刀流継続の致命傷に…「投手断念」を視野に入れた大谷“ピッチクロック批判”の重み
「大谷はNHKの番組で故障とピッチクロックの影響について口にしましたが、これはあくまで個別インタビューであり、大谷個人の故障に関する質問を受けての発言だった。しかし今回は、日米メディアが大挙する囲み取材という公式の場で、<メジャー>という大きな枠組みで投手の故障が相次いでいることへの意見を求められ、個人の体験も踏まえて『間違いなく負担は増えている』と言及した。二刀流をこなしながら、2度の右肘手術を強いられた大谷の“ピッチクロック批判”はインタビューでの発言とは重みが違う。大谷は投手にとってピッチクロックはそれだけ深刻な問題と認識しているのです」
さらに同番組では、2度目の右肘手術を受けた今後の影響について、「投手としては2度目の手術なので、おそらくもう1度同じ症状になったら配置転換。他のどこのポジションか分からないですけど、そういうふうになる」と、投手を断念する意向も示した。
最速160キロを超える直球と切れ味鋭いスイーパー、フォークを武器にする大谷は「クオリティーが上がると、どうしても負担が出る場所がある」とも言っている。本人はあくまで「ベストボールを投げ続けないといけない」という意思があり、投手として最高のパフォーマンスを発揮したいと考えている以上、投球間のインターバルを削ぐピッチクロックは障害以外の何物でもない。
大谷はすでに何度もキャッチボールを行い、投手としてのリハビリを始めている。だが、ピッチクロックはそんな本人から二刀流を奪う危険をはらんでいる。