サブローだけじゃない 担当外でも独自のコネクションで情報入手、青田買いに動いた逸材
PL学園高の大村三郎(サブロー=現・ロッテ二軍監督)は、鈴木が1994年のドラフトで4位指名を狙った選手だった。が、蓋を開けてみるとロッテが単独で1位指名。鈴木にとっては想定外の結果が待っていた。
「当時のロッテは広岡(達朗)さんがGMで、PL出身のスカウトもいました。広岡さんがわざわざPLまで視察に行った、と聞いていましたので、これは本気だなと感じていたものの、4位で取れると判断して、上司に報告した。それが1位指名ですからね。ドラフト会場の控室で思わず、『えー!?』と大声を上げてしまいました(笑)」
大村のような他球団も評価する高校生の逸材を「隠し玉」にすることは簡単ではない。だが、そうした選手が高校を卒業して大学、社会人に進み、3年、4年後に一気に評価を上げる可能性はある。
「当時は逆指名制度があり、例えば大学4年時に1位で競合するような選手は契約金も年俸も大幅に上げざるを得ません。もともと僕は、一度惚れた選手はずっと惚れたままですし、選手は取らないことには始まらないという考え。早めに指名するに越したことはないと思っていましたから」