大谷「腰の張り」で2度目の欠場も…今季初の体調不良がドジャースにも本人にもプラスなワケ
大谷翔平(29=ドジャース)の体調不良が今季初めて公になった。
日本時間12日、敵地のパドレス戦に出場。3打数無安打、1四球で迎えた九回、今季2度目の代打を送られてベンチに下がった。「腰が張っているという話だった。なので九回は無理をさせなかった。明日どうなっているかだが、多分、休みを与える」とは試合後のロバーツ監督だ。
プロスポーツ史上最高額となる10年総額1000億円超でドジャースに移籍。オフは右肘手術明けにもかかわらず、「ひょっとしてドジャースタジアムのスイートルームに住んでいるんじゃないか」という声がファンから上がるほど、連日、球場でハードなトレーニングを積んだ。野手に専念する今季は走塁にも意欲的で、ここまでチームトップの9盗塁をマークしている。現地特派員がこう言った。
「あれだけの金額で常勝球団のドジャースに移籍したのだから、結果を出して当たり前というプレッシャーは当然、あったでしょう。手術明けで上半身に負荷をかけづらい分、オフは下半身を徹底的に鍛えたようです。腰の張りは一昨年5月に投打同時出場した試合で訴えたことがあるし、昨年9月には右脇腹を痛めている。疲労が主な原因だと思いますけど、だとすれば今後の起用法にも影響します。大谷はここまで1試合に欠場しただけで、ほとんどフル出場に近い。けれども、腰に問題を抱える選手を、これまでのように休みなしで起用するわけにいきませんからね」
とはいえ、大谷に休日が増えることは、チームにとっても本人にとってもプラスではないか。
12日現在、ドジャースは2位のパドレスに6.5ゲーム差をつけてナ・リーグ西地区を独走している。大谷が唯一、欠場した2日のダイヤモンドバックス戦も8-0で快勝したように、大谷ひとりいなくても大勢に影響はない。というか、「大谷にはたまに休んでもらうのがチームにとってベスト」(前出の特派員)なのだ。
■DH独占の弊害
昨季、正捕手で4番を打つスミス(29)は14試合、36本塁打のマンシー三塁手(33)は10試合、23本塁打のアウトマン中堅手(26)は3試合、15本塁打のユーティリティー・テイラー(33)は7試合、それぞれDHで出場している。DHは主力が休養するためのポジションでもあるのだが、今季は大谷が1試合休んだだけで独占しているのだ。
「大谷が休んだ1試合はスミスがDHに入りましたけど、このまま主力が休みなしで乗り切れるとは思えません。マリナーズからFAで獲得、12日現在、全41試合に出場し、大谷と並ぶ11本塁打のテオスカー・ヘルナンデス外野手(31)は昨季、DHとして28試合に出場したように休みながら力を発揮するタイプです。それに守備のヘタなマンシーが常時三塁を守るようなら、ミスを連発して打つ以上に点を吐き出すことになりかねません」(同)