「メッシやロナウド、エムバペみたいなスペシャルな突破力を持てる選手を育てたい」
2月の引退後、2つのJクラブでコーチ業をスタートさせた。古巣・横浜FCのスクールと浦和のユースだ。前者は小学生対象で週に1回、後者は不定期だが、どちらも「ドリブラー育成」に主眼を置いている。
「メッシ(インテル・マイアミ)やロナウド(アル・ナスル)、エムバペ(来季からレアル・マドリード)をつくることができたら、日本のレベルも間違いなく上がる。僕はそのくらいスペシャルな突破力を持てる選手を育てたいんです」
そう意気込む松井は目下、解説業やイベント出演などのかたわら、横浜FCと浦和で育成年代の指導に力を入れている。
横浜FCの方は4月に開校した「対人強化コース」。小学1、2年、同3~6年の各20人を相手に高度なドリブルスキルを披露しつつ、ポイントを教えている。
「自分がプロ23年間やってきた経験を踏まえて、小学生のうちに身につけておいた方がいいことを抽出し、ボールの触り方や置き方、間合いの取り方、抜くタイミングなどを突き詰めています。指導を始めるに当たって、メッシやロナウドはもちろん、自分が若い頃に憧れたフィーゴや日本代表の三笘薫(ブライトン)、伊東純也(スタッド・ランス)といった選手のドリブル動画を徹底分析しましたね。たとえば、フィーゴだったら切り返しと反発力がずぬけている。地面を押して一気に加速して抜き去るスタイル。今の子供はフィーゴを知らないと思いますけど、ポルトガル代表とかレアル、バルサで活躍した選手だと説明して、『地面を押す力が大事なんだ』と伝え、実践してもらっています」