浦和アカデミーのコーチに就任 選手個人だけにフォーカスし「1対1の強化」に邁進中
「松井大輔が浦和アカデミーのロールモデルコーチに就任」という一報が流れたのは4月。「クラブのOBでない松井がなぜ浦和に?」と驚いたサッカー関係者やファンも多かっただろう。それは本人も同じ。彼は今、ユニホームを着たことのないクラブで指導経験を積み重ねている。
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「引退発表直後に浦和の水上(裕文=フットボール本部アカデミー育成担当)さんから『ウチで指導しないか?』と声をかけてもらったのが始まりです。水上さんは『アテネ会』も中心となって開いてくれていて、前から親しかった。ただ、その時点では横浜FCとの契約が決まっていたので即答できなかった。その後、横浜FC側が『他でも教えていい』と快諾してくれたので4月から参加することになりました」
これまで松井が指導に携わったのは4~6月の10回程度だ。同じアテネ五輪世代の親友・阿部勇樹(元日本代表MF)が、JFA公認S級ライセンスを受講中。彼がチームを離れたタイミングで指導に赴く形が基本になっている。
「僕の場合、戦術指導やチームマネジメントは行わず、個人だけにフォーカスしています。主眼を置いているのは1対1の強化。横浜FCで小学生を教える時と同じように理論と感覚的な部分を組み合わせながらアプローチしています。日本には<ドリブルコーチ>はいないけど、僕は、その部分に特化した指導者という位置付けでしょう。練習後のシュート練習に付き合うこともあります。ボールの受け方、シュートにいくタイミング、足の持っていき方、GKやDFの位置をどう見るかなどアドバイスできることは数多くある。今の若い世代は消極的と言われますけど、レッズユースの選手は自分からいろいろ聞いてくる子が多いですね。自分もやりがいを感じます」