鈴木大地氏がTV番組で水連会長就任は「罰ゲーム」発言…《新たな内紛の火種になりかねない》と識者指摘
とはいえ、水連はかねて、重大な課題を抱えている。連盟内の内紛だ。
昨夏の世界水泳ではリレーの選手起用をめぐって平井伯昌コーチと梅原孝之競泳委員長が衝突。大会後、一部の女子選手がSNSで「結果だけを選手に求めて、サポートする環境もなく、具体的な対策、改革が無ければ今後も変わることはない」などと、公然と批判する事態に発展した。
水連は選手、コーチと緊急会合を開き、池江璃花子ら約20名選手が梅原委員長に不満の声をぶつけたが、平井コーチはその後の大会への参加を辞退。平井コーチはパリ五輪を控えた今年3月にヘッドコーチに復帰したものの、パリ五輪のメダル数は銀1個と惨敗すると、「大改革しないと、次の4年後も厳しい」と梅原委員長から、水連元副会長の上野広治氏への交代を要求。梅原委員長は来年6月までの任期を前倒しして、9月末で退任した。
そんな中、21年6月に水連トップに就任した鈴木会長は、必ずしも存在感を発揮しているとは言い難いのも確かだ。
「水泳は昔から現場のコーチと連盟との主導権争いが続いてきた。それを見てきた鈴木会長も苦しい面はあったのかもしれませんが、バラエティー番組でこんな発言をすれば、水泳連盟内で『会長は何を言っているんだ』と、新たな内紛の火種になりかねません。こんな状態では、4年後の28年ロス五輪も厳しい結果になるでしょう」(津田氏)