著者のコラム一覧
菅谷齊東京プロ野球記者OBクラブ会長

1943年、東京都生まれ。共同通信社でV9時代の巨人をはじめ、阪神などを担当。1970年代からメジャーリーグも取材した。野球殿堂選考代表幹事を務めたほか、三井ゴールデングラブ賞設立に尽力。現在は東京プロ野球記者OBクラブ会長。

敗色濃厚の太平洋戦争末期の1944年正月 軍部の命令に背いてプレーボール、空襲に遭いながら8試合

公開日: 更新日:

 大谷翔平の大リーグでの活躍を、あの選手たちはどう見ているだろうか。米国との太平洋戦争の末期、1944(昭和19)年に軍部はプロ野球に対し、「(公式戦を)中止せよ」。国内に残った選手たちは、それに背くように試合を行った歴史があった。

 45年の正月大会である。場所は関西。選手不足から4チームを2チームに編成した。阪神(9人)と産業(4人)で組んだのが「猛虎軍」。阪急(7人)と朝日(7人)が「隼軍」とそれぞれ名乗った。

 試合は1月1日から5日までで、使用球場は奇数日が甲子園、偶数日に西宮。いずれもダブルヘッダーだった。元日の結果は第1試合が猛虎9-3隼、第2試合も猛虎8-3隼。最初の勝利投手は、ハワイ出身の若林忠志。“七色の変化球”の異名を持つ投手で、のちに日本シリーズの勝利投手第1号になった。

 産業は中日に、朝日は松竹を経て大洋に吸収され、昨年の下克上日本一DeNAへとつながっている。出場選手を見ると、プロ野球が再開して活躍したミスタータイガース藤村富美男、首位打者の金田正泰、盗塁王の金山次郎、二刀流の呉昌征、最初の通算1000安打を記録した坪内道則ら大物がいた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中居正広氏&フジテレビへの抗議が激減…「はぐらかし会見」と“ガス抜き”の効果がジワリ

  2. 2

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  3. 3

    エキスポ駅伝2チーム辞退に《やっぱりな》の声…実業団に3月の戦いは厳しいか

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    浜崎あゆみ25年ぶり月9主題歌で「別人疑惑」再燃か? 近年版・復刻版どちらの歌い方でもブーイングのジレンマ

  1. 6

    コシノジュンコそっくり? NHK朝ドラ「カーネーション」で演じた川崎亜沙美は岸和田で母に

  2. 7

    立花孝志氏が襲撃される瞬間を日刊ゲンダイが目撃し激写! ナタで切りつけられる一部始終

  3. 8

    膨張するカウンターに萎縮し大好きな選挙が苦行に…渋谷のマイク納めは中止

  4. 9

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  5. 10

    キンプリ2人体制&ジャニーズ解体で才能開花…髙橋海人に吹く追い風