高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース
全国高校サッカー選手権の決勝(1月13日)は、群馬代表の前橋育英が千葉代表の流通経済大柏との大激戦を制し、7大会ぶり2度目の優勝を飾った。
先制したのは流経大柏だった。前半12分、ここまで3得点と絶好調のMF亀田歩夢が、鮮やかな右足シュートを叩き込んだ。31分、前橋育英が同点に追い付き、後半に入ってからも両チームは攻守に激しくせめぎ合い、国立競技場に詰め掛けた歴代最高となる5万8347人の大観衆からヤンヤの喝采を浴びた。
試合は延長でも決着が付かず、優勝はPK戦に委ねられることになった。
先行・流経大柏の8人目が失敗すると後行・前橋育英も失敗。九死に一生を得た流経大柏だったが、10人目も失敗して万事休す。フィールドプレーヤー最後の10人目で力尽きた。
「優勝した前橋育英、準優勝の流経大柏ともにハイプレスを掛け合いながら、洗練されたチーム戦術と高い個人技を存分に発揮した。見ごたえ十分の試合はPK戦にもつれる大激戦でした。もっとも死闘を繰り広げた両チームから、卒業してJ1に進む選手は、今季15位と苦しんだ湘南入りする流経大柏DFの松本晃成1人だけ。鋭いドリブル突破とキープ力、守っては効果的なボール奪取力を披露し、決勝でのゴールを含めて得点王ランク2位タイの4ゴールを挙げた流経大柏のMF亀田歩夢は、2024年シーズンをJ3で戦ったJ2富山です。ちなみに優勝した前橋育英からJ入りする選手は見当たりません。意外に思うサッカーファンも多いでしょうが、これが高校サッカーの現実と言えるでしょう」と話すのは元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏だ。