親の「悪いところがないから大丈夫」は鵜呑みにしない
私の母は現在90歳。若い頃は女学校まで片道1時間以上の山道を歩き、85歳まで実家で1人暮らしを続け近隣を何キロも歩くほど元気だった。しかし今は要介護度4。日常のほとんどが車椅子生活となり、認知症も急速に進行。特別養護老人ホームで暮らしている。
高齢なのでいつかはこんな日が来るかもと覚悟していたけれど、「もっと早く〇〇しておけば」と思うことが多々あった。その最たるものが、息子として母の健康状態をどれだけ把握していたかという点だ。
母の介護問題が一気に進んだのは、散歩中に尻もちをつくように転んだことがきっかけだった。その時は何とか自力で自宅に戻ったものの、痛みが取れないとSOSの電話があり、病院に連れて行ったところ、腰椎の圧迫骨折をしていた。その際、医師から--。
「骨密度検査したところ、同年代の人と比較すると70%くらいしかありませんでした。血圧もちょっと高めですし、今後はしっかり経過観察していきましょう」
と告げられ、私は少なからずショックを受けた。