著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

心臓にとっては「安静」よりも「適度な運動」が大切になる

公開日: 更新日:

 入院生活において座っている時間が長い人は、短い人に比べて退院時の身体機能指標が有意に低い──。今年6月、神戸大と早稲田大の研究グループが心臓病で入院している患者353人を対象に行った研究結果を発表しました。

 入院期に心臓リハビリを行っていても、入院中の座っている時間の長短によって退院時の身体機能に差が認められたといいます。入院中や退院後の生活では、座っている時間を減らして体を動かすことが身体機能の改善にとって重要だということです。

 たしかに、心臓にトラブルを抱えている人にとって、適度に体を動かすことは非常に重要です。心臓の手術を受けた患者さんは、再発予防のためにも負荷をかけすぎない適度な運動が欠かせません。そのため、心臓の手術を受けた後、患者さんは医師や看護師の指導のもと、必ずリハビリを行います。

 かつては、術後は1週間近く集中治療室で安静にするのが当たり前と考えられていました。しかし近年は、患者さんがベッドから起き上がって歩行などを行う「離床」をできるだけ早く始めるようになっています。回復状態によって違ってきますが、一般的には手術の翌日から離床を始め、2~3日で病院内を歩き回ります。術後に安静にしている期間が長くなると、筋力が低下したり、呼吸機能が落ちたり、体力が衰えて日常生活に戻るまでに時間がかかってしまうことがわかってきたからです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース