高血圧症の克服(1)降圧剤を飲んでも治らなかった血圧が正常に
初夏の日差しを感じ始めた今年5月、イベント企画会社を経営する早川栄治さん(仮名.69歳=埼玉県在住)は、思いがけない経験をする。
20年ほど前に「高血圧症」と診断された早川さんは、以来、降圧剤「アムロジピンOD錠」5ミリグラム(その後10~15ミリグラム)を毎朝服用してきた。2カ月に1回、定期的に診察を受けている担当医から、「血圧管理手帳」の提出も義務付けられている。
とくにこの3年間、血圧の推移を毎日記録したその小型の手帳には、家庭内の最高血圧(収縮期血圧、正常血圧は115㎜Hg未満)が140~150台、最低血圧(拡張期血圧、同75未満)が90~100と高血圧が常態化した測定値が並ぶ。
「5月22日の朝でした。いつものように血圧を測定したところ、突然、数値が下がったのです。上が121、下が82の数値で、脈拍は79でした」
測定法を間違ったのか、使い慣れた「上腕式血圧計」の故障なのか、あるいは単3形アルカリ乾電池4個が電池切れなのか。早川さんは、もう一度測ってみた。