「幸福度」の高さが心臓病による死亡率に影響を与える?
医療や福祉サービスが充実しており、安全で清潔な環境で生活する人々は、そうでない環境で生活する人々と比べて、幸福を感じる度合いが高いといえます。また、幸福度が高い社会では、日常生活におけるストレスが減り、そこで暮らす人々の健康状態も良好に保たれる可能性があります。
そんな中、地域社会の幸福度と心臓病による死亡率との関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに、2023年7月3日付で掲載されました。
米国で行われたこの研究では、3228カ所の地域に在住している51万4971人(平均54歳、女性48.9%)が解析対象となりました。
世論調査などを手掛けている企業(ギャラップ社)によって収集された幸福度(0~100点で評価:点数が高いほど幸福)に関するデータと、米国疾病対策センター(CDC)で管理されている心臓病による死亡率のデータを用いて、地域における幸福の度合いと死亡リスクの関連性が解析されています。
その結果、10万人当たりの心臓病による死亡率は、幸福度が最も低い地域で499.7人だったのに対して、幸福度が最も高い地域では438.6人と、10万人あたり、61.1人の差が生じました。