「47都道府県・地鶏百科」横山次郎著
日本全国には今、味や肉質にこだわった地鶏が200種類以上も誕生している。成瀬宇平、横山次郎著「47都道府県・地鶏百科」は日本人が大好きな鶏肉と卵のすべてが分かる事典。47都道府県の地鶏や地卵の特徴を徹底紹介している。
地鶏とは、JAS法上で定められた親鶏の基準や飼養期間などの条件を満たした鶏だ。最近では地域活性化のため、食用に飼育したブロイラー由来の鶏を平飼いなどの自然状態で飼育したり、飼料にこだわった銘柄鶏と呼ばれる鶏も作られている。
愛知県の名古屋コーチンや秋田県の比内地鶏などはすでにメジャーだが、全国各地にはまだまだたくさんのうまい地鶏がいる。たとえば、北海道。肉料理といえば羊肉のジンギスカンという土地柄だが、近年では地鶏の飼育も進んでいる。2006年に川上郡新得町で誕生した「新得地鶏」は、地元特産の新得そばのそば殻を餌として与えられて育つ。うま味成分のイノシン酸やグルタミン酸が豊富で、すっきりと澄んだ後味が特徴だ。
ビタミンEが通常の3倍も含まれる「桜姫」や、藻粉末をはじめとする植物性飼料で育った「知床どり」などの銘柄鶏も続々と誕生している。そんな北海道の隠れた名物といえば、鶏の内臓に天然塩を加えて発酵させた鶏醤。卵かけご飯に抜群に合うそうだ。