佐高信「この5冊で政治の危うさが見えてくる」

公開日: 更新日:

 その安倍は祖父の岸信介を大尊敬している。戦争犯罪を問われた岸が背後霊のように安倍の後についているのであり、憲法改正等のタカ派ならぬバカ派的な政策は、すべて、おじいちゃんの汚名をそそぎたいというコケの一念からきている。「絶頂の一族」を、その絶頂から一刻も早く引きずり降ろさなければならないのである。フクシマを見捨てて、安倍は原発再稼働を強行しようとしているが、「さまよえる町」には、棄民化されているフクシマの人間の、30年後に県外に最終処分場を建設するという約束に対する痛烈な批判が載っている。

「国が責任をもつなんて言っても、国がいちばん信用できないんですよ。そもそも、国の原子力政策が間違っていたわけでしょ」

「相楽総三とその同志」は権力の非情さを描いた明治維新史の古典的名作である。

■オススメ本5冊
「天人」後藤正治著(講談社)
「戦後70年 保守のアジア観」若宮啓文著(朝日選書)
「さまよえる町」三山喬著(東海教育研究所)
「絶頂の一族」松田賢弥著(講談社

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…