「知性とは何か」佐藤優著
世界を脅かすイスラム教過激派も、各国で台頭するナショナリズムも、すべて反知性主義を反映したものだと著者は指摘する。反知性主義とは、「実証性と客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」のこと。
本書は、反知性主義化する日本の政治に危機感を抱く著者が、反知性主義がもたらす問題と、その克服のためにはどうすればよいのかを説いた論考。憲法改正問題に関連して、「ナチスの手口に学んだらどうかね」と語った麻生副総理の発言などを例に考察。反知性主義に対抗するための知性の復権、そして本当の知性を身につけるためにはどうすべきかを語る。(祥伝社 820円+税)