「ラストキャリア」谷川史郎氏
50代になると、「定年」「老後」の文字がちらつき始め、焦燥感を抱く人も多いだろう。「自分はこのまま終えるのか? もっとできることがあるのではないか」と。
「民間企業でキャリアを積んだ50代以降も、新たな活躍の場があることを知ってほしい、その思いでこの本を書きました。ここ数年で、実際に民間企業から地方の行政や産業振興に携わり、面白い仕事をしている人たちと出会ったことがきっかけです。彼らの生きざまは今の50代に新たな選択肢を提起するだけでなく、日本全体を変える可能性を秘めていると思っています」
本書では民間企業出身者で、市長や副市長あるいは産業振興の一員となって活躍する4人の事例を紹介。
彼らは海外赴任や重要な役職に就いた経験をもつエリートである。
「彼らは決してスーパーマンではありません。地方に必要なのはお金でもマーケットでも労働力でもない、それらをコーディネートする力なんです。彼らは“よそもの”の強みを生かし、地元の人が見えていない魅力を組み合わせた、いわば“マッチングの達人”。実際に、地方の中小企業や産業を活性化して雇用を創出しています。今は『高齢者対策や福祉の充実』を説く人より『雇用を創出』できる人を首長に選ぶ時代ですからね」