「偽装中流」須田慎一郎著
「GDP600兆円」が格差拡大になるカラクリ
安倍首相は、「分厚い中間層」の復活を念頭に2020年に向けて「1億総活躍社会」なるスローガンを打ち出しているが、格差の拡大、二極化が進む現状で再び「分厚い中間層」をつくり出すことは不可能だと著者は指摘する。
人並みに頑張っていれば、誰もが報われた時代はこの先二度とやってくることはなく、今は中流だと思っている人でも、下流に転落してしまう恐れすらある。1億総活躍社会の実現のために打ち出した新3本の矢のひとつ「GDP600兆円」は薄給で働く人を増やすことでしか実現できないとそのカラクリと政権の意図を暴く。
2020年以降に噴出するさまざまな問題を見据え、安倍政権の政策を徹底批判した警世の書。(KKベストセラーズ 1400円+税)