心が萎えたとき読む本特集
「折れない心のつくりかた」日本ポジティブ心理学協会著、宇野カオリ監修
春は出会いと別れの季節。職場では人事異動や配置転換などで人間関係も様変わりし、精神的負担も大きくなってストレスがたまりやすいことだろう。そこで今回は、萎えてしまった心をよみがえらせるためのヒントを探る5冊を紹介する。悩みや不安に押しつぶされそうになっているあなたは、ぜひ手に取ってみて欲しい。
ペンシルベニア大学で考案された“逆境や困難から回復する力”を鍛える「レジリエンス・トレーニング」を分かりやすく解説する本書。
私たちの脳は強いストレスを感じると、それを素早く取り除くために判断を急ぐ傾向にある。すると、思考にひずみが生じて事実を必要以上にネガティブにとらえる「思考のワナ」に陥りやすくなる。たとえば、「個人化」というワナでは、自分の能力や責任が及ばないことでも“自分のせい”ととらえ、罪悪感を抱いてしまう。
しかし、ワナから抜け出すコツを知っていれば心を追いつめずに済む。個人化に陥りやすい人は、「他の人や環境はどのように影響したか」「原因の発端は自分以外にあるのではないか」と常に振り返る習慣をつけることで、正しい思考を維持するトレーニングになるという。
他にも、思考を円グラフ化したり、“最悪のケース”を確率化するなど、ストレスに対処するためのメソッドが満載だ。(すばる舎 1300円+税)