「歯切れよく生きる人」外山滋比古著
ベストセラー「思考の整理学」の著者による健康エッセー。
93歳になる氏だが、血液検査の結果はオールA。その秘訣とは、足の散歩だけではなく、「手にも口にも、耳目、頭にも歩かせる」=「五体の散歩」にあるという。若き日、原稿に詰まり散歩に出ると、頭の働きが良くなり、気分も明るくなることを発見。以来、散歩は生活の一部。
一方、手の散歩とは著者にとっては原稿を書くこと。骨折した妻に代わって担当した家事も、手の散歩になると実感したという。思いがけない発見をもたらしてくれる雑談による口の散歩、スポーツ観戦や絵画鑑賞などの目の散歩、そして風の音や鳥の鳴き声に耳を澄ませる耳の散歩まで。自らが実践する五体の散歩の効能を説く。
(祥伝社 570円+税)