「せつないいきもの」竹本健治著
高2の類子が、友人らとファミレスで話していると、読唇術ができる拓也が不穏なことを言いだす。数日前に電車の中で犯罪の打ち合わせをしていた女の2人組が、店にいるというのだ。2人の会話から、既に誰かを拉致監禁した様子だという。店を出た2人を尾行すると、新築の高級マンションに入っていった。2人を乗せたエレベーターは、3階と5階、そして10階に停止して動かなくなった。2人は別々の階で降りたのか、さらに途中から乗ってきた人物がいるのか、類子たちは頭を悩ます。類子が恋人で囲碁棋士の智久に相談すると、なぜか智久はエレベーターのメーカーをたずねてくる。(「青い鳥、小鳥」)
天才囲碁棋士が話を聞いただけで事件を解決する連作ミステリー。
(光文社 620円+税)