「戦国大名の危機管理」黒田基樹著

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 戦国屈指の名君といわれる北条氏康の領国経営を検証した歴史テキスト。

 天文10(1541)年、家督を相続した氏康は、領国内の検地を行う。同時に、村に対する年貢などの賦課額を算出するための基礎となる「村高」や、家臣の知行高など、性格の異なる社会的富を「貫高」という銭貨の単位である貫文で統一的に表示。大名と村は、現代人が考えるような搾取する側とされる側の関係ではなく、村は政治的主体として存在し、大名と対峙していたという。「村請」と呼ばれるこうした体制を確立した北条氏は、村を対象に直接文書を発給する「印判状」という新しい文書様式も生み出した。

 初めて民政を行い、敵の侵攻や飢饉などの危機を乗り越えた氏康の領国経営の秘密に迫る。

(KADOKAWA 840円+税)

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