「名画という迷宮」木村泰司著
バロック絵画の巨匠の作品を鑑賞しながら、そのドラマチックな人生をたどるビジュアル新書。
16世紀、プロテスタントに対抗するためカトリックは、宗教美術の利用に動き出し、ローマでバロック古典主義が開花。天空を神や聖人が舞い踊るイリュージョンのような様式が広まる一方で、写実的で革新的な絵画が誕生。その生みの親がカラヴァッジョ(1571~1610)だ。21歳でローマに出てきた彼は、その才能を見いだされ名声を得る。
しかし、その世俗的な表現が物議をかもし、度々教会から作品の受け取り拒否をされる。私生活でもトラブルが絶えず、果てに殺人犯として逃亡生活を余儀なくされ、失意のうちに命を落とす。
その他、ルーベンスやベラスケスら全6人の巨匠たちを網羅。
(PHP研究所 1000円+税)