「大雪物語」藤田宜永著

公開日: 更新日:

 豪雪に見舞われた長野県の別荘地K町を舞台に老若男女6人の人生が交錯する連作短編集。

 派遣切りに遭い、寮も追い出されてしまった23歳の良太は、盗んだバイクでひったくりを繰り返す。姉との電話で警察に追われていることを知った良太は、土地勘のあるK町に向かう。かつて両親がK町の別荘地にある保養所の管理人を務めていたのだ。

 無人の別荘に忍び込んだが、豪雪で電線が切断し停電、薪も食料も底をついてしまう。ナイフを懐に、煙突から煙があがる近くの別荘のドアをノックすると、出てきたのは老婆だった。敏子という名の老婆は、良太のウソを疑わず、食事や寝る場所を提供してくれる。雪はその後も降り続き、別荘地は完全に孤立。良太は敏子の別荘に足止めされる……。

(講談社 660円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭