「コープス・ハント」下村敦史著
8人の女性を殺害した容疑で死刑判決を下された浅沼聖悟は、「そのうちの1件は俺の犯行じゃない」と言った。そして“思い出の場所”に真犯人の遺体を隠した、と。被害者の水本優香のシャツの襟元には十数本の深紅のバラが差し込まれていた。それが連続殺人の手口と似ていたので、同一犯だと思われたのだ。
だが、刑事の折笠望美は、その前に取り調べていた別の被疑者、金田光が真犯人だと信じていた。一般車のドライブレコーダーに、3人組の男にマンションに連れ込まれる優香の姿が写っていて、3人組の1人が金田だったのだ。金田は浅沼の逮捕前から行方不明になっている。
抑圧された心が生んだ犯罪を描くミステリー。
(KADOKAWA 1700円+税)