「ヴァルキリー」安生正著

公開日: 更新日:

 2029年7月、警視庁公安部第五課の東郷警部は、G20に向けて不穏分子の洗い出しをしていた。捜査一課が、訪日中のドイツの首相の暗殺計画があるとの情報を掴んでいたからだ。

 ドイツの首相は日本に難民受け入れを要請している。暗殺計画の首謀者、村瀬は東大卒の大物右翼で、機関誌でテロリスト殲滅(せんめつ)活動を開始すると宣言していた。日本に漂着した難民が、難民定住促進センターから脱走してテロ集団「モグラ」をつくり、各地でテロを起こしていたのだ。

 村瀬は、ソマリアで傭兵(ようへい)として暗躍した元自衛官の香椎に目をつけた。会社の経営難に苦しむ香椎に手を差し伸べ、「モグラ」幹部を拘束せよと命じる。

 難民問題に揺れる近未来の日本を舞台にしたサスペンス。

(徳間書店 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動