「父を撃った12の銃弾」ハンナ・ティンティ著 松本剛史訳
12歳の少女、ルーは、父と2人であちこちを転々として生きてきたが、亡き母、リリーの故郷に行くことになった。祖母の家のドアを叩くと、ゴーグルをかけた年配の女が出てきてルーと目が合ったが、ドアをばたんと閉めた。
次の日、2人は海辺の古い屋敷を買ってそこに住むことになった。ルーが入学した中学の校長はリリーが好きだったと言った。父は漁師をして生計を立てたが、捕った魚介を校長に直接売っていることが知れると、よそ者嫌いの漁師から文句が出た。父の体には銃弾でできた12の傷があったが、最初の傷はニューブレトンの豪華な別荘に盗みに入ったときのものだった。
ドラマチックなサスペンス小説。
(文藝春秋 2420円)