「田舎のポルシェ」篠田節子著

公開日: 更新日:

 コロナ禍で勤めていたデイサービスセンターが自主休業になったので、春江は浜松に向かって出発した。イベントが中止になったため、観客を入れないことを条件に湖月堂ホールが3時間20万円で借りられると、孫の大輝が教えてくれたのだ。音響、照明設備とエンジニア付き! そこで憧れの宮藤珠代が歌った歌を歌うのだ。

 大輝がシルク光沢のドレスとロケバスも用意してくれて、春江は備え付けの「女優鏡」でメークした。曲はトスカが歌った「歌に生き愛に生き」。来月、手術を受けるので、生命保険の一時金をステージで使うことに決めたのだ。(「ロケバスアリア」)

 他にポルシェ、ボルボなど、車を舞台に繰り広げられる3つの物語。

(文藝春秋 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 3

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    茨城県知事の異常な県政を朝日も毎日も報じない不思議…職員13人が自殺?重大事件じゃないか!

  1. 6

    立憲民主党の凋落は自民党以上に深刻…参院選改選組が国民民主党に露骨なスリ寄り

  2. 7

    小芝風花&松坂桃李は勝ち組、清野菜名は貧乏クジ…今期ドラマ「トップコート」所属俳優の泣き笑い

  3. 8

    阿部寛「滑舌問題」はクリアできそうだが…新日曜劇場『キャスター』で国民的俳優が試される“唯一の心配事”

  4. 9

    浜田雅功の休養の裏で着々と進む松本人志との"今夏ダウンダウン完全復帰計画"…プラットフォームに本腰

  5. 10

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続