「永いおあずけ」みうらじゅん著
大学時代のクラスメートの菊池の訃報をもらって、永井は葬儀に出かけた。途中で車に乗せてくれたのが大木だった。どうしても永井に知らせてほしいという声があったので電話したという。「男好きのする女」だった遠藤里子も来ている。里子は学生時代に永井を部室に誘い込んだが、セックスだけはさせなかった。当時付き合っていた啓子と別れたらするという。「それまでのおあずけだから」と。
葬儀の帰りにホテルに連れ込まれて、里子に妻の啓子と離婚したか聞かれた。それでまたおあずけになったのだが、1カ月後、大木から電話がかかった。
学生時代の同級生に翻弄される表題作ほか「変態だ」など、煩悩まみれの男を描く官能小説5編。
(新潮社 1760円)