「マイ修行映画」みうらじゅん著
歯医者で奥歯の治療を受けたあと、新宿の映画館で「ジュラシック・ワールド」を見た。遺伝子組み換えで作った最強の恐竜の顎は、人間3、4人は丸のみできるすごさ。
見ていたら歯茎の麻酔が抜けてきて痛いの何の。恐竜の強靱な歯が羨ましい。
「仮面ライダー1号」を見ていると、後方で子どもの声がする。「仮面ライダーじゃない!」。30代前半とおぼしき母親は、1971年放映開始のライダー1号など知る由もない。ようやく子どもが知っている仮面ライダーゴーストが登場。今度はみうらがわからない。
日常からの逃避のために見た「自分に向いていない映画」をエッセーとマンガで紹介する。
(文藝春秋 1650円)