「90'sナインティーズ」西寺郷太著
「僕」は小学生の頃からプロミュージシャンになるという夢を抱いていた。
秋葉原でバイトをしていたとき、インディーズのギターバンドのリーダーのワクイさんが語る70年代や90年代の音楽やアーティストの話に魅了された。
ワクイさんがCDも出していると聞いて池袋のタワーレコードに行き、人生最大の衝撃を受けた。ワクイさんのミニアルバムが情熱的な店員の手書きのキャッチ「君は愛のために死ねるか?」とともに、「世界と共鳴するバンド、我らがスターワゴン! レーベル・メイトのエドウィン・コリンズも絶賛!」というコメント付きで大プッシュ展開されていたのだ。
90年代後半のミュージシャンを描く自伝的小説。 (文藝春秋 1760円)