「浪華燃ゆ」伊東潤著

公開日: 更新日:

「浪華燃ゆ」伊東潤著

 文政元(1818)年ごろの大坂は一里四方に42万人が住む過密都市だった。町奉行所に勤務する26歳の大塩平八郎は、世のため、人のために役立ちたいと考えていた。

 幼い頃父母を亡くし、祖父に育てられたが、与力として実績を上げ、五段飛びで目安役兼証文役に就く。平八郎はいずれ塾を開いて陽明学を教えたいと考えていた。秩序を重んじる朱子学と違い、陽明学は革新的傾向が強く、幕府に煙たがられていた。

 天保4年、3年続きの不作から飢饉が起こる。平八郎は役人と結託して儲けている富商に米を供出させ、飢餓に苦しむ人々を救おうとするが……。

「太虚」の心境で「理」に基づく世直しを目指した男の生涯を描く歴史小説。

(講談社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動