「互換性の王子」雫井脩介著
「互換性の王子」雫井脩介著
中堅の飲料メーカー「シガビオ」の御曹司、志賀成功(なりとし)は目覚めて、自分が父の別荘の地下室に監禁されていることに気づいた。シェルターとして使えるようにバス・トイレもキッチンもついていて、食料も十分にあった。閉じ込められて6カ月が過ぎたころ、成功はドアが半開きになっているのに気づいてようやく地下室から脱出する。会社に行ってみると、父の元には成功のIDカードと退職届が成功の名で送られていた。そして成功が就くはずだったポストには異母兄の玉手実行(さねゆき)が就任しており、しかも「志賀」の姓を名乗っている。それだけでなく、成功の恋人だった女性にも近づこうとしていた。
ビジネスと恋をめぐる異母兄弟の闘いを描くエンターテインメント小説。 (水鈴社 2090円)