「霧をはらう」雫井脩介著
小児ぜんそくで入院していた少女と慢性腎炎で入院していた少女が死んだ。さらに川崎病で入院した少女が一時的に昏睡状態に陥る。
3週間後、腎炎で入院していた紗奈の母、野々花が逮捕される。子どもたちの点滴に糖尿病治療用のインスリンが大量に混入していたことが判明したのだ。野々花は若い頃、看護助手をしていたが、薬漬け医療に批判的なので疑われたのだ。子どもの看病をする親が、がんばっていることを認めてもらいたいために子どもの病状を故意に悪化させる代理ミュンヒハウゼン症候群ではないかとみられた。当初、野々花は犯行を認めたが、やがて否認に転じる。
冤罪を晴らすために闘う弁護士を描く法廷サスペンス。
(幻冬舎 1980円)