山本一力 売れない時代の胃袋を満たしたアラ煮の思い出

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 山本さんがカニの箱を抱えたカットを掲載するつもりで撮影したが、フィルムが余ったため、カメラマンが気を利かせて「ご家族の皆さんでいかがですか」と撮ってくれたのが、この写真だ。みんなの表情がよく、こちらも掲載されることになったという。

「いわば“幻の写真”なんだけど、我が家にとってはいろいろな意味で原点なんだよ」

 その日の晩は、親戚を交えての大宴会。焼きガニやカニ鍋、そして押し寿司とタラバガニを食べ尽くす。それに、カツオもホヤもある。アラ煮中心の食卓は一変した。しかし、贅沢は続けない。1万円分の魚介を食べ終えたら、アラ煮の生活に戻った。

「タイのカブト煮を作ると、子供たちは目玉が好きで、親の知らないところで、いつまでもいつまでもしゃぶっていたんだろうね。あるとき、小指の先くらいの水晶みたいなのを見せられた。それが、目玉の芯だったのを初めて知った。オレは、目玉をしゃぶっても、白いのが出てきたら捨てていたんだよ。最近は、魚は切り身が泳いでるなんて思ってる子がいるらしいし、食べ方の汚い子供が多いけど、ウチはキレイだよ。アラ煮やカブト煮の食生活で子供が魚を食べ慣れたのは、親として、いいことを教えたと思うなぁ」

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