音楽芸人こまつ 高校を卒業したくて「路上ライブ」デビュー
トランペットを吹きながらシンセサイザーを弾くパフォーマンスでネタ番組に出ていた音楽芸人こまつ(30)。テレビでゲイだとカミングアウトして話題だが、昔は路上で寝るような貧乏をしてきて……。
親が借金を抱えていて、僕が高校3年の時に家が差し押さえられたんですよ。僕、生徒会長やってたから2月の卒業式で答辞を読むはずだったけど、卒業式前日に先生に呼び出され、「授業料払ってへんからこのままじゃ卒業できへんど」と。母親に聞くと「そうやねん」と。10万円くらいの滞納で、払わないと卒業できず、僕は2カ月間、バイトと路上ライブに明け暮れて自分で金を貯めました。校長室で校長と担任と僕の3人で卒業式。ひとりで校歌を歌いました。
その時が路上ライブを本格的に始めたきっかけ。最初は友達と一緒で、繁華街で酔っぱらいにリクエストされた曲を友達がギター弾きながら歌って僕はキーボードを弾き、一晩で5000~6000円稼げた。流しみたいなもんでしたね。
卒業後はひとりで兵庫の三宮にある東急ハンズ前でトランペットとキーボードを同時に弾く路上ライブを始めたら、人が集まるようになった。一晩で多い時は4万円稼げ、少なくても1万円を下回る時はなかった。珍しがられたみたいで「ハンズのトランペットの子」って名前が売れた。当時は兵庫もそこの人たちも路上ミュージシャンに寛大だったんです。