完全復活遠のき…痛々しさだけを残した中森明菜の紅白出場
復活ののろしは本物なのか。昨年末のNHK紅白歌合戦に出場した中森明菜(49)。米NYのレコーディングスタジオから生出演したが、東京の会場とやりとりを交わすこともなく、一方的に挨拶しただけで歌唱がスタート。国民的ヒットの選曲が“条件”のはずの紅白としては異例中の異例、今月21日発売の新曲「Rojo―Tierra」を生で披露した。途中、マンハッタンの景観やライオンの映像が挟みこまれ、さながらカラオケボックスのイメージ画像のよう。歌い終えた後も「ありがとうございました」とささやき、あっさりとおしまいになった。
一部報道では明菜本人が昨秋に紅白出演を決め、10月には渡米し準備を進めていたという。いわば、4年5カ月ものブランクを3カ月の準備期間で調整していたというわけだ。そんな今回の紅白出演をどう見ればよいのか。
音楽評論家の富澤一誠氏は、「痛々しかった」とこう続ける。
「精彩がまるでなく、自信のない感じが画面からありありと伝わってきました。中森明菜の実力からすれば声量、声質、リズム感ともに全盛期の5割にも満たない状態。せっかくなら完全復活した彼女が見たかった。最新の音楽機材を駆使し、ベストの状態に編集して売り出されるCDは問題ないとして、ライブやコンサート開催に至ってはまだまだ長い道のりといわざるを得ない。中途半端な復活劇は完璧主義の歌姫にとって、プラスに働かないのではないでしょうか」