札幌から単身赴任…俳優・安田顕が語るこだわりの“酒と肴”
肴は好き嫌いありませんが、東京への単身赴任が続くと、やはり北海道の味が恋しくなります。例えばジンギスカン。札幌にいると、それほど食べたいとは思わないのに、東京にいるとフッと食べたくなることがある。で、肉は子羊肉のラムではなく、成羊肉のマトンがいい。
ラムなら東京でもスーパーやデパートの食品売り場には必ず置いてあります。ただ、マトンはあまり見かけません。たぶん「マトンは独特なにおいがする」という先入観があり、それが影響しているのではないかと思います。
でも、最近は冷凍技術や流通システムの向上で、以前のような“クサみ”はほとんどない。むしろ少し香りがあるほうが羊らしくておいしいと思うんです。
ビールに合うのも、ラムより熟成した味わいが楽しめるマトンだと思いますしね。
それと今の時季、北海道ならではの味覚といえば「飯寿司」ですね。道外の方には馴染みがないかも知れませんが、オホーツク産の魚と野菜、そしてお米を米麹で漬け込んだ郷土料理で、冬の風物詩みたいな自然食品。今ほどモノが豊富ではない時代の保存食です。