「花のれん」で好演の矢田亜希子に“昼ドラの星”目指せの声
もっとも、作業服である水色のウインドブレーカーを着て首にタオル巻き、リヤカーを引きながら漁師たちに「またよろしくね」と挨拶している姿がまたいい。苦労して働いてる女って感じが妙に似合っている。ただ、このまま漁港勤めが続いたら女優として地味な方向にいきそうで怖い。
ちなみに、このドラマで光る脇役は沢田雅美。中高年にはかつてのホームドラマが懐かしい女優で、金縁メガネの奥から怖い目を光らせ、若い女将見習をしごく女将塾の鬼コーチを務めている。野際と羽田の嫁・姑のいがみ合いといい、沢田の意地悪なシゴキといい、和服姿のこの3人が昔ながらの昼ドラらしくて味がある。
今やこの枠しかない平日の昼ドラだが、長時間のワイドショーを削ってもっと増やしてほしい。そこで矢田には野際の座ではなく、あえてポスト沢田を目指して昼ドラの星となり、長続きしてほしい。苦労してるからこそできるイジワルな役もあるから。
(作家・松野大介)